




|

 |



怖い糖尿病網膜症 |
糖尿病になると、目にも様々な合併症を引き起こします。その中で一番怖いのは、初期には自覚症状が無く、目のフィルムである網膜が障害される糖尿病網膜症です。視力障害がおきる段階は、かなり進行した状態であることが多いため、糖尿病の人は、自覚症状がなくても眼科に最低1年に1度は診察を受けて、目に異常が無いか調べることが必要です。
|


● 糖尿病網膜症の進み方 ● |
 |
|

|
治療は、血管強化薬や、網膜の血液の循環薬を改善する内服療法→レーザーで痛んだ網膜を焼いて進行を抑えるレーザー治療→増殖膜や目の中の出血を切除する硝子体手術があります。治療に抵抗して病気が進行してほとんど見えなくなることもあるため、早期に発見し、治療することが大切です。進行してからレーザーや手術をしても、十分な視力回復が得られないことが多いのです。 |

下は増殖糖尿病網膜症の方の写真 |
 |
視神経乳頭上には新生血管も見られ非常に進行した状態です。ときに進行した状態(増殖型)でもまったく自覚症状がないこともあります。単純型や前増殖型では、自覚症状は下に書いた黄斑浮腫がなければ通常ないことが多いでのです。 |

● 糖尿病網膜症の手術治療 ● |
 |
|


上の図は、レーザー治療後の眼底写真 丸い斑点は、レーザー痕 |
● 糖尿病黄斑症について ● 糖尿病網膜症の患者さんの視力低下で多い原因に、物を見る中心部(黄斑部といいます)に血管からもれた血漿成分やリポ蛋白がたまり、浮腫が起きてしまうことがあります。、当院では、感染を防ぐため、手術室で、白内障手術前と同様の目の洗眼消毒を行い、浮腫を引かせる硝子体注射を保険適応下で行っております。注射の薬品名は、「アイリーア」、「ルセンティス」、「マキュエイド」です。最近はほぼ毎週この注射を眼底疾患の患者さんに行っています。 注射前の消毒は厳重に、滅菌器具を使い手術室で行います。硝子体は細菌に弱いので、白内障手術と同様に感染を起こさないように細心の注意をして施工する必要があるためです。 |


目のフィルムの血管が詰まってしまうことがある |
高血圧と目は一見関係が無いように思われがちですが、実は目の奥には網膜というフィルムがあり、そこには血管が走っています。高血圧により網膜の動脈が細く硬くなると、その下を走る動脈を圧迫して静脈が詰まったり(網膜静脈閉塞症)、動脈自体に血栓が生じて詰まって視力低下を来します。 眼底は、全身の中で唯一血管が直接観察出来る部分です。 眼底出血などを起こす前に、高血圧で動脈硬化が進んでいないか、調べておく事をおすすめします。 |

● 血管の詰まる部位で症状が異なる ● |
 |


上の図は、網膜の静脈が詰まって眼底出血を起こした人の写真 |
網膜静脈分枝閉塞症は、眼底出血の代表的な病気です。出血を起こした場所と程度により、視力低下する場合と、自覚症状の無い場合があります。出血で目の静脈が詰まると、行き場を失った血液などが網膜(目の奥の映像を映すフィルム)にあふれてしまい、網膜の中心部が腫れてしまうと見づらくなってしまいます(黄斑浮腫)。最近、ルセンティスという眼科用薬剤を眼球に注射することにより、視力改善を目指す治療が本邦で認可されました。高度に視力の低下した患者さんにとっては早期に視力回復を実感できる可能性があり(個人差がありますし絶対ではありませんが)、福音と考えます。すべての人にこの注射の適応があるわけではありません。ルセンティスは薬剤費がもともと高額であるのが欠点です。 |

|
糖尿病・高血圧の方への図は、 戸張幾生名誉教授著 幻冬社「治し方がよくわかる疲れ目・目の痛み」および、 参天製薬 堀貞夫教授「目に迫る糖尿病」のパンフレットより引用。 |

|
COPYRIGHT(C)2015 緑内障 白内障 八王子市 多摩眼科クリニック ALL RIGHTS RESERVED.
|
|