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多摩眼科クリニックのスタッフ勉強室のページです。 以下は、当院の新人眼科スタッフ向けです。専門用語などが多く一般の方には分かりにくいと思われますが、ご了承下さい。 免責事項:診断・治療は各眼科医の判断で行ってください。当院では本ホームページ記載内容に伴う一切の責任を負いません。
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問題 |
眼瞼炎 |
A よくみられる疾患だが完治しづらい 前部眼瞼炎と後部眼瞼炎に分類される 若年者ではアクネ菌、高齢者では黄色ブドウ球菌(MRSAを含む)が原因のことが多い 症状は、発赤、刺激感、灼熱感burning、流涙tearing、痒み、眼瞼の痂皮crusting of eyelashes、睫毛脱、まぶたの張り付きeyelid sticking、変動する視力によるぼやけ、コンタクトレンズ不耐症、羞明、まばたきの頻度の増加、および再発性麦粒腫 前部眼瞼炎はブドウ球菌性と脂漏姓に分類、ブドウ球菌性が圧倒的に多い(米国眼科学会AAOのPreferred Practice Patternでは「マイボーム腺機能不全」も眼瞼炎にふくめている) 睫毛根部の襟巻き上の分泌物(カラレット)がみられ、まつげを抜いて顕微鏡でみるとマツゲダニ(デモデックス、demodex)が動いているのを時々観察される カラレットの脂質がデモデックスの餌となるため、眼瞼の縁(まつげの根元)を清潔に保つことが一番重要 まつげの根元をきれいに清拭することをリッドハイジーンlid hygieneという リッドハイジーンのやりかたは、手を洗い界面活性剤を含む石鹸(目にしみにくい専用の物が販売されている、アイシャンプー、ティーツリー洗顔フォーム、マイボシャンプー等)を手にとり軽く目を閉じてまつげの根元をこすり洗いして、ぬるま湯で洗い流す リッドハイジーン朝晩歯磨きをするのと同様に習慣づける(ただし肌があれたり赤くなるようなら中止) 抗菌薬には点眼・眼軟膏・内服がある これらを単独または組み合わせて治療する マクロライド系の点眼は静菌作用に加えに炎症を抑える効果があり、眼瞼に長くとどまるため眼瞼炎の治療に有効と報告されている(特に後部眼瞼炎で有効率が高い 後部眼瞼炎はマイボーム腺開口部付近の炎症で、マイボーム腺炎とほぼ同義 後部眼瞼炎(マイボーム腺炎)では、瞼縁の血管拡張がみられることが多く、その異常血管からサイトカインが放出され炎症を増悪させる 眼瞼炎にオメガ3脂肪酸の摂取が有効な可能性が報告されている 魚に含まれる成分 腸内環境の改善(グラノーラ、味噌納豆などの発酵物、ヨーグルトは時々種類を変えてみる、食物線維)や脂っこいものを食べ過ぎない、魚も積極的に摂取(アレルギーの無い場合) ミノサイクリン・ドキシサイクリンなどのテロラサイクリン系の内服、クラリスロマイシンやアジスロマイシンなどマクロライド系の内服が有効との報告も散見されるが、胃腸障害や肝障害を含む副作用に注意 アジマイシン点眼は眼瞼炎のうち後部眼瞼炎(マイボーム腺炎)に有効との報告が多い、眼瞼に抗菌成分が長くとどまり、抗菌作用のほか炎症をおさえる特有な作用を有するとされ、自覚症状の改善に寄与している アジマイシン点眼はしみたり痛みを感じることがあるものの、いままで角膜障害を起こした経験はなく、点眼3日目からしみる感じは軽減することが多い
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