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詳細内容 |
網膜静脈閉塞症で眼底出血し、視力が落ちてしまいました。 |
A 網膜静脈閉塞症は、網膜という目の奥のフィルムにある血管のうち、動脈硬化によって目の動脈がその下を走る目の静脈を圧迫し、血液成分が網膜にたまってしまう病気です。いわゆる眼底出血の代表的な病気です。この病気になると目の中にVEGFという物質が増加し、血管からの血漿成分がもれやすくなります。ものを見る中心(黄班部)に浮腫や出血が及ぶと視力低下が自覚されます。治療は眼科医の判断および患者さんとの話し合いで決めますが、私が視力を上げるのに最も効果的と考えているのがVEGFを抑える硝子体注射です。製品名ではルセンティス、あるいはアイリーアです。注射後多くの患者さんは視力が改善します。但し、注射をしても全員が視力回復するのではなく、難治例もあり発症から時間がかなりたってしまっている場合、黄斑部の血管網や組織が傷んでしまっている場合、この注射に反応しない場合もあります。。最近の脳梗塞の既往などが無く注射の適応と考えられれば、私の経験から発症後なるべく早い時期に注射した方が良いと考えています(一方で注射を待つという考えの専門の医師もおられます。また私と同様に早く注射した方がゆがみなどの後遺症が少なく治りがよいというこの病気を専門に研究している医師の意見もあります)。当院では滅菌手袋を装用し、患者さんの目も消毒を行い、滅菌された特殊なビニール(テガダーム)を目の上に貼って手術室で注射を行っています。注射により多くの方では黄斑浮腫が軽減しますが、薬の効果がきれると浮腫が再発する事があります。網膜静脈閉塞症は大別して根幹部が閉塞する中心網膜静脈閉塞症、枝が閉塞する網膜静脈分枝閉塞症がありますが、前者はより重症で、頻度は後者が多いです。またこの病気の原因として、高血圧や高脂血症が指摘されており、高血圧を放っておくと浮腫が再発しやすいとされていますので、その治療も合わせて重要です。 |
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