|
|
詳細内容 |
円錐角膜はどういう病気ですか?その治療法は? |
A ・円錐角膜は角膜が不規則な円錐形を呈する進行性の疾患。中央部やや下方が円錐状に前方に突出する。思春期から青年期に発症し,ゆっくりと進行する。30歳から40歳以上になるとあまり進行はしないといわれるも個人差あり。発症頻度は200人から2000人に1人と幅があるが最近は意外と多いとされる。 ・円錐角膜の従来からの標準的治療は、必要に応じてハードコンタクトレンズ(HCL)の処方や角膜移植である。 最近は現在進行例に対しては角膜クロスリンキング(Corneal Collagen Crosslinking: CXL)という自費の治療がその進行を抑えるために行われるようになっている。行っている施設はまだ少ない。CXLは1997年Seilerらが開発、2003年にWollensakらが臨床応用した。 ・早期の円錐角膜を発見し、現在進行している患者さんにはCXLを行うことにより進行を抑えられるようになった。 ・細隙灯顕微鏡検査は一般的に行われる眼科検査だが、軽症例を発見するのは困難 ある程度進行すると下記所見がみられる 角膜中央下方の韮薄化と突出 Vogt striae:韮薄部の実質深部の微細な線条 Fleischer ring:リング状の角膜基底細胞のヘモジデリン(鉄)の沈着 Munson sign:下方視時の下眼瞼縁の下方への突出 ・若年発症例は重症化しやすい。重症例の診断時年齢:18.8±5.4歳,軽症例の診断時年齢:23.7±8.1歳 ・眼科における早期発見のポイント a自覚症状:眼鏡作りに眼鏡屋にいったが視力がでない、 急に視力低下してきた・視力の左右差 b問診によるリスクファクターの把握:アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎(円錐角膜患者でアトピー性皮膚炎を有する比率は2割から5割)、喘息等のアレルギー疾患の有無、目をこする癖は?(こする事は進行因子のためこすらないように指導する) c家族歴は?(多くは孤発例だが)、妊娠・出産期の女性? d屈折検査・視力検査 角膜乱視度数が2D以上,K値45D以上 → 角膜乱視2D以上で約19%,3D以上で約22%,4D以上で約38%が円錐角膜疑いか円錐角膜とされる 若いのに乱視軸が、斜乱視または倒乱視だと要注意。 正常若年者は直乱視がほとんど。 短期間に乱視が進行したり 乱視の度数や軸に左右差がある、など 又、ケラトメーターでマイヤー像の真ん中が外下方に歪んだり卵型になっていないか見るを→あればDrに報告 ・CXLの適応の目安 1.年齢14歳以上(進行があれば14歳未満で行うことも) 2.現在進行している円錐角膜 @(角膜形状解析で)Steepest K(K2)が1.0D以上増加 A自覚乱視度数が1.0D以上増加 B自覚屈折度数(等価球面)が1.0D以上増加 Cハードコンタクトレンズの後面光学部曲率半径(ベースカーブ)が0.1mm以上減少 直近24ヶ月以内に@〜Cの1項目以上を満たすものを進行と定義 3.紫外線照射時に角膜最薄部厚が400マイクロメートル以上あること
参考 第74回臨床眼科学会 インストラクションコース21 悪化させない円錐角膜診療 |
|
COPYRIGHT(C)2015 緑内障 白内障 八王子市 多摩眼科クリニック ALL RIGHTS RESERVED.
|
|